再建築不可物件で火災保険は何故重要?入らないとどんなリスクがある?

住宅やビルなど建物を購入する際、火事など万が一の場合を想定した上で火災保険に加入することが一般的になっています。もし将来的に建物が火災に見舞われた時、保険に加入しておくことにより焼失した建物の再建築やリフォームを行う際の保険金が利用できるからです。

一方で再建築不可物件に関しては、建て替えが不可能であったりそもそも建築物が老朽化しているため加入を躊躇する方も少なくありません。ここでは再建築不可物件が火災に晒された際のリスクと、火災保険に加入していない場合のリスクやその保険の範囲について詳しく解説していきます。

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再建築不可物件の火災リスクとは

再建築不可物件は、特にリフォームや改修など手を施していない限りそのほとんどが火災リスクが高いと言わざるを得ません。現在の建物を解体して更地にした状態であっても、新たに建築できない土地のことを再建築不可物件と呼びます。日本の法律である都市計画法によると、都市計画区域および準都市計画区域にのみ存在している物件です。

この区域内では建築基準法に基づいた、接道義務を果たさなければならずこれに満たない条件のものを指します。こういった矛盾が生じたのは建築基準法の制定が昭和25年(1950年)、都市計画法が昭和43年(1968年)といったように期間がずれているからです。 すなわち再建築不可物件は、昭和25年よりも前に建築されているケースが非常に多いです。近年ではさまざまな構造の住宅が存在しますが、当時に建てられたもののほとんどは木造住宅となります。

現在の木造住宅は同じ木製であっても耐火構造に優れていて、鉄よりも火への耐久性がある木造建材が使用されているケースは少なくありません。しかし昭和25年に建造された建物は、現代のような耐火構造が期待できないため非常に火災リスクが高いという訳です。築年数が大幅に経過している物件が多く、耐火性・耐震性に不安が残り一度火災に見舞われてしまうと全焼する可能性も高くなります。 加えて建築基準法に基づく、接道義務を満たしていない点も問題です。消防車が適した位置に入れず、消火活動が妨げられて延焼するケースも少なくありません。このように建物自体の燃焼リスクだけでなく、近隣への災害という意味でもリスクが高い物件と言えます。

火災保険に加入していない再建築不可物件が抱えるリスク

火災保険に加入していない状態の再建築不可物件が抱えるリスクとして挙げられるのが、昭和25年に制定された建築基準法の条件に満たない建築物だということです。古い住宅であるため老朽化が著しいこともデメリットですが、この場合において問題視されるのは耐火構造に不安がある点です。特に燃えやすい木造住宅であること、現代の木造家屋よりも燃えやすいことがその要素となります。現代の木造住宅は燃えにくい構造、建材を用いているためこういった物件よりも耐久性・耐火性は高いです。同じ木造建築といえど、その性質や性能は全く異なるものと認識しておかなければなりません。

加えて長年にわたって使用された住宅の木材が経年劣化によってもろくなっていて、燃焼しやすい点にも注意が必要です。建材が燃えやすく、延焼する範囲が広いほど修繕費も高くなるのは自明の理です。その費用を捻出する際の助けとなる、火災保険に加入していないことが非常にリスクが高いということを覚えておきましょう。 未加入であることがリスクになる要因に、失火責任法もその1つとして挙げられます。

法令40号の失火責任法とは明治32年に制定されたのち現代にまで続く法律であり、故意もしくは重大な過失が認められない限り失火によって他人に損害を与えた場合においても損害賠償責任がないという旨を定めています。木造家屋が密集した形で成立している日本の都市構造および住宅事情を加味し、不法行為責任の一般的な原則を示した民法709条の例外的な措置にあたるのが同法という訳です。自分の家が火元となって燃焼した際に、近隣に燃え移って損害が発生した際に過失がないと認められれば責任を免除されるのがその内容です。

ただここで問題となるのは他の家が火元となっているケースであり、その場合は火元となった家に責任を追及することができません。隣家から火が燃え移った場合は、自分で修理・改築費用を捻出する必要があります。火災保険に加入していない場合、当然ながら保険金などの資金が得られません。逆に言えば火災保険に加入してさえいれば、条件に基づき保険金が下りてそれを改築や修繕費用に充てることが可能です。自身の家が火元になっていた場合であっても、損害を与えてしまった近隣の住宅への補償を行う際に活用できるのもメリットの1つと言えます。

建築不可物件がいかに建て替えが不可と定められていても、半焼・半壊であれば保険金で修繕できるという点も覚えておきたいポイントです。消防庁によれば、建物の20%程度が焼失した状態を半壊とすると規定しています。火災保険は全焼の際に支払われるものですが、半焼だからといって支払われない訳ではありません。保険金額が修理の費用を上回った場合など、一定の条件を満たせば損害の状況に基づいて金額が支払われます。そのため加入することが決して無駄にならず、もしもの時の命綱になるという点を認識しておきましょう。

火災保険でカバーできる範囲とは

火災保険と一口に言っても、カバーできる範囲は実に多彩です。オプションを付けることで火災だけでなく台風や大雨に伴う洪水、土砂崩れといった自然災害から車の衝突・空き巣などの人為的な厄災、デモ発生時における家屋の破損もその補償対象に含まれることとなります。こういったオプション類は保険会社やその商品によって異なるため、加入前にしっかりと確認してください。 火災保険のメインとなるのが、火災と落雷時の補償です。

読んで字のごとく火災による建物の損壊や家財が損失した際において、その分の補償として保険金が支払われます。オプションとして挙げられるのは、近隣に延焼した際に発揮する類焼損害賠償特約や失火見舞費用保険金です。これにより落雷によって被害があった際も、補償金を受け取れます。雹やあられ、雪による建物の破損に関しても同様に保険金を受理できるプランもあります。降雪地域に物件を持っている場合、加入しておくと損はありません。

爆発・破裂に関するオプションも存在しており、ガス爆発やボイラーの破損によって建物が損壊した場合の補償です。中にはガスコンロだけでなくスプレー缶の破裂や、カセットコンロが原因となる損害にも対応している商品があるため調べてみてください。 近年注目が集まっている補償の1つに、風災・衝突にまつわる補償が挙げられます。特に大型化が著しい台風とその被害に備えたいと考えている人は多く、年々需要が高まっています。台風や爆弾低気圧によって発生する、強風による家屋の破損および飛来物による被害が対応項目です。ブレーキとアクセルペダルの踏み間違いによる自動車事故が増えており、こちらに対応するのが衝突のオプションです。

車通りの多い道路の近くに建築されている住宅であれば、加入しておくことをおすすめします。 水災は洪水・高潮、土砂崩れの発生によって生じた被害に保険金が支払われる補償です。浸水によって家財道具や家屋は、消毒および処分が必要となります。こういった事態に役立つオプションであり、河川・海岸沿いの立地である場合は加入しておいた方が良いです。 引っ越しなど自宅内で荷物を運搬する際などに、壁や床を傷つけたり塗料で汚損した場合に適用されるのが破損・汚損の補償です。

また自宅に空き巣が入ったり、盗難に遭遇した際の補償オプションもあります。盗まれた家財だけでなく、侵入時に破壊されたドアや窓ガラスにも対応している点に注目です。 中でも一番追加しておきたいオプションとなるのが、地震に関する補償です。地震が原因となる火災・津波の補償に関しては、火災保険の対象外となっています。耐震性能の低い再建築不可物件に関しては、特に火災保険と一緒に地震保険に加入しておくことが重要です。ちなみに火災保険と地震保険では補償の範囲、損害の算定方法などさまざまな面で異なるためこちらも加入前にこの差異に関してよく確認しておく必要があります。

まとめ

再建築不可物件を所有している方が覚えておきたい点として挙げられるのが、その多くが昭和25年よりも以前に建てられた物件であるという点です。建築基準法に満たない建造物であること、耐火構造に不安が残ることを念頭に置いておく必要があります。現代の性能が強化された木造住宅とは異なり、燃えやすいということはよく覚えておきましょう。経年劣化により木材が燃えやすくなっており、消火が間に合ったとしても被害が大きくなりその分修繕費も多くかかります。

そのため火災保険に加入していない場合のリスクは非常に高いため、加入しておくことを強くおすすめします。 また耐火性能だけでなく耐震性能に関しても、近代の建物に比べて非常に低くなっています。自然災害に対してのリスクが高い点も、大きな懸念事項となるため一層保険に加入しておくメリットは大きいです。近年では火災保険にはさまざまなオプションを付けることができ落雷や洪水などの水害、年々被害が拡大している台風による損害の補償が可能となっています。

他にも衝突や空き巣被害など、自然災害以外に対する補償も充実しているため状況や周囲の環境に合わせてオプションを付けると良いです。特に地震に関しては備えておくべきであり、火災保険と一緒に加入しておく必要があります。万が一の時のために備えて火災保険に加入しておき、火事や地震などの災害によって被害が出た箇所の費用の負担を減らすことが大切です。

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