子供が独立した後の家、必要としてる家族がいます。老後に向けて住み替えも

子供が小さい頃は、広い家でのびのびと育てたいと考える親御さんは多いものです。庭があれば家の周りで安全に遊ばせることができますし、生活していると物もいつの間にか増えていきます。また、子供が年頃になれば、自分の部屋も欲しくなるでしょう。

そのためマイホームを購入する場合には、子供の人数に合った部屋数の大きな家を選ぶことが多いです。しかし、子供が大きくなって独立した後は、広い家を持て余してしまうということも少なくありません。家の一部しか使っていないということもありますし、掃除や庭の手入れ等が負担になってしまうこともあります。

子供独立後の自宅の選択肢とは

子供が独立した後に、自宅をどうすればいいかは迷いどころです。選択肢としては、そのまま住み続けること、リフォーム・リノベーションをして住み続ける、建て替えをしたり売却して住み替える等があります。それぞれメリットとデメリットがあるので、それを踏まえて選択する必要があります。

そのまま住み続けるメリットとしては、住み慣れた家なのでコミュニティが変わらないということが挙げられます。近くに知り合いや友人が住んでいるというのは、意外に心強いものです。また、住み替えに伴う費用がかからないということもメリットとして挙げられます。ただし、建物が老朽化してしまうと、その修繕費等が発生します。

外壁を塗り直すにしても、大きい家だとその分だけコストがかかってしまいます。給湯器などの設備も古くなってくると、交換しなければいけません。 それからリフォームやリノベーションをして住み続けるという場合、住み慣れた場所に居続けながら建物を新しくできます。建て替えるよりも安く済みますが、大規模なリフォームやリノベーションの場合、建て替えとあまり変わらない費用がかかってしまうこともあります。

部屋数を減らすなど建物を小さくする減築は、施工する部分が多いので費用はそれなりにかかります。屋根や柱といった建物の構造部分に手を加えるので、工事は大掛かりになりやすいです。 また、自宅があった場所に建て替えて住むという選択肢もありますが、これは資金的に余裕がないと難しいでしょう。

解体費用などもかかります。ただし、住まいに感じている不満を一気に解消することができますし、資産として子供に残すこともできます。自分達に万が一のことがあった場合でも、築年数の浅い家であれば買い手が見つかる可能性が高いです。リフォームやリノベーションをした物件よりも、やはり新築物件の方が人気はあります。介護が必要になって老人ホームに入居することになったという場合でも、資金を確保しやすくなります。

老後を見据えて売却・住み替えというメリット

子供が成長して独立した後には、老後を見据えて売却し住み替えるという選択肢もあります。住み替えるメリットとしては、現在の状況に合わせた場所を選べるということが挙げられます。子育てを考えて庭付きの一戸建てに住んでいたけれど、老後は利便性の良いコンパクトなマンションに住みたいという人は多いです。

立地にもよりますが駅から近い等利便性の良い場所にあったり、医療機関やスーパーマーケット等買い物できる場所が揃っているといった利点があります。足腰が弱くなった時にも近くにスーパーマーケットや病院があれば安心です。 また、マンションの場合にはワンフロアになっているので、階段の上り下りがないというメリットです。高齢になると階段を上ったり、下りたりするのが意外に大変ということは多くあります。

洗濯物を干すだけなのに、一々階段を上らなければいけなかったりします。若い頃はあまり気にならなかったことも、歳を重ねるごとに負担に感じるようになることもあります。介護を見据え、バリアフリーになっている住居を選ぶといったこともできます。 それからマンションの場合、共有部分の維持管理や修繕、掃除などのメンテナンスは管理会社が行ってくれます。管理費や修繕積立金などは支払う必要がありますが、それは戸建てに住んでいても発生する費用といえるでしょう。

手間がかかることは管理会社に任せられるので、自分で修繕の手配などをする必要がありません。一戸建てだと全部自分でやらなければいけないので、負担を感じてしまいます。 マンション以外にも、海の近くに住みたいとか田舎に住んで家庭菜園を楽しみたいといった人もいます。田舎暮らしは慣れるまでに時間がかかることも多いので、住み替えるのであれば体力があるうちに実行するのがおすすめです。

現役時代は仕事に邁進していたけれど、退職後はスローライフを楽しみたいという人は沢山います。人には自然豊かな環境で暮らしたいとか、カフェやレストランを開いてみたい、趣味の世界に没頭したいなど思い描いている理想の老後というものがあると思います。自宅を売却すれば新しい家の資金にすることができます。 また、自分達にとっては大きくて負担が大きい家でも、子育て世代にとっては理想的ということも多いです。子供を育てるために広々とした家が欲しいと思っている家庭も多く、必要としている家族に大切な思い出の詰まった家を使ってもらえるのはとても嬉しいことといえます。

不動産の相続は特に家族が揉める為、生前に解決を

土地や建物等不動産の相続は、何かとトラブルになりやすいです。現金であれば平等に分ければいいので揉め事にはないにくいですが、土地や建物は分割して相続するというわけにはいきません。共有名義にするという方法もありますが、共有名義だと同意がなければ売却するのは難しいのでより面倒なことになってしまいます。不動産の相続では、名義人は一人にした方がいいでしょう。

誰も住む人がいなくて空き家になってしまった場合には、解体費用などもあってマイナスの資産になってしまうこともあります。そういった親族同士のトラブルを避けるためにも、生きているうちに自宅をどう処分するのかを決めておくことが大切です。 資産価値がある建物であれば、譲る人を決めておくようにしましょう。子供が複数いる場合には、現金を含めどう分配するのかを話し合っておく必要があります。大切なのはきちんと話し合いをしておくことで、遺言書を残したからといって良いというわけではありません。

遺言書の内容が自分にとって不利な内容だった場合、不信感を抱いてしまうこともあります。子供同士の仲が悪くなってしまう事態も考えられるので、生前にきちんと財産について話をしておくというのは必要不可欠です。 また、売却できるかどうか分からない資産価値の低い建物は、できるだけ早めに処分しておくようにします。空き家になってしまうと維持管理費ばかりがかかり、マイナスの資産になってしまうこともあります。

老朽化した家が建っていても、解体して更地にすれば欲しいという人が見つかることも多いです。ただし、更地にすると固定資産税が高くなるので注意が必要になります。特に子供が遠方に住んでいるといった場合には、土地や建物などの不動産を相続しても困ってしまいます。 不動産の相続について相談にのってくれる専門家もいるので、一度そういったところに相談してみてもいいかもしれません。節税対策のアドバイスをくれたりもします。