底地を早急に処分・売却したい場合にオススメの処分方法をやさしく解説

相続などで底地という言葉を耳にしたことがある方がいる一方で、初めて聞く言葉であると戸惑う方も多いのではないでしょうか。底地とは単純に言うと借地権が設定されている土地を指すのですが、その借地権が建物の所有を目的としているため、たとえ土地の所有者であっても土地を簡単には売買して処分できないという制約が課せられている土地だと考えられます。しかし底地の持ち主である地主にとって、急に多額の金銭が必要となるなど何らかの事情が生じることもあるかもしれません。そこで底地と呼ばれる物件の早期売却処分について、解説をおこないます。

底地を早期売却する為の選択肢

底地をなるべく早く処分したいと考えている地主には、大きく分けると３つの処分方法が考えられるのではないでしょうか。つまり底地には必ず、建物の所有を目的としての借地権者がいます。ですから、その建物を所有している借地権者にその土地の買取を持ちかけるという方法が考えられます。借地権者としても自分が所有している建物と土地の両方を所有することで、いざというときに売却しやすいというメリットが生じるので持ちかけにも快く応じるかもしれません。しかし借地権者に土地を購入するだけの資力が無い場合にはこの方法は使えません。そこで第二の選択肢にあげられるのが、第三者や一般的な不動産業者に底地の売却を提案するのではなく底地を専門として買取をしている業者への連絡です。一般的な土地の取引をおこなっている業者や第三者とは違って底地を専門として取り扱っている業者ですから、話がスムーズに進んで早期に売却が決まるのではないでしょうか。特に底地を巡ってさまざまなトラブルが生じている場合でも、手慣れている業者なのですぐに売却が決まって手続きされるので安心さが更に向上するという方法です。さてそれでもスムーズに話が進まないようなときに考えられるのが、底地の持ち主である土地の所有者と底地に建物を建てている借地権者が、協力して土地と建物を同時に売りに出す方法です。土地と建物をバラバラに売りに出すよりも一緒に売却するわけですから、第三者などでも購入しやすくトラブルに巻き込まれることなく売買の話が進むに違いありません。しかも土地と建物をそれぞれ売りに出す方法と大きく違うところは、適正価格での売却が決まる可能性が高いところだといえます。確かに底地のみの売却であれば買い叩かれることが考えられますし、建物のみの売り出しでも足元を見られる可能性は少なくありません。そのため土地と建物を同時に売りに出すことができれば、両方の価格が相乗効果で適切な状況での販売になるといえるのです。なお底地の早期の処分を遣りやすくするには、借地権の契約書がきちんと作ってあるかの確認も重要です。また底地の売却価格を通常よりも下げたり、借地人が支払う利回りを売却前に交渉して上げておくことも早期処分に繋がります。なお土地所有者の初期費用が必要とはなりますが、建物の所有者から建物を買い取ってそれを一緒に販売することも早めの飼い主が現れる要因となることでしょう。

底地を早期売却出来ず抱えた場合のデメリット

相続などで底地の所有者になったりこれからなる可能性がある方は、本来所有することで受けられるメリットが少ないだけではなくデメリットが多いことも知っておいた方が良いでしょう。底地を所有することで起きやすいデメリットで最初によくあげられることは、借地人になにかの事情が生じて地代が支払われなくなることかもしれません。もちろん長年の付き合いのある借地人であれば、極力そのような状況を回避する方向へと動こうとするものです。しかしいったん滞ってしまうと負のスパイラルに陥ることも多く、その上地代を支払ってもらっているかどうかの状況に関わらず毎年の固定資産税や都市計画税は地主に課せられます。しかも地代を支払っていない借地人であっても、借地権者の保護は借地借家法によって強力に守られていると行っても過言ではありません。ですからこのような状況に陥る前に底地の所有者となった場合には、早急に処分を検討することが重要となってくるのです。次に考えられるトラブルは借地権を持っている方が死亡して、借地権者の側での相続問題が発生することではないでしょうか。すぐに誰が借地権を相続するのかハッキリとすればよいのですが、それが相続人の間でごたごたが起こるなどして複雑化を免れないことも考えられます。もちろん地主には相続人に今までどおりの地代を請求する権利はありますが、相続人がハッキリとしない段階では地代が支払われない状況が続くこともあります。そうなるとどんどん支払われなかった地代が積み重なって高額となり、最終的には土地の持ち主ばかりが税金を支払い続けるのに地代は一向に入らないということにもなりかねません。さらには借地権者側ではなく底地権者側の人間が亡くなり、そこでも借地権者側におこったようなさまざまなトラブルが生じてしまうこともあります。そうした場合にはわざわざトラブルの生じている土地について、自分の資産を投じてまで問題を解決しようとする非常に良心的な相続人ばかりではないことも考えられます。これらのいろいろな問題が累積する可能性のある底地問題は、それまで土地の所有者と建物を建てている借地人のような良好な関係ではなくなってしまうのです。ですからこうした問題に巻き込まれる前によく底地との関係を掌握し、デメリットが起きる前にできるだけ早く処分することが大切です。なおこのように複雑な問題がさまざまに起きる底地の処分があるために相続放棄を考える方は少なくありませんが、それは最終的な判断とするほうがよいでしょう。そもそも相続放棄は一定の決められた期間におこなわなければなりませんが、相続財産の相続の内容を選ぶことはできないのが理由のひとつです。つまり相続を放棄するとなると何もかも相続できなくなるため、相続する財産の内容がプラスになるのかマイナスになるのかをハッキリとさせてから考えたほうが良いということです。底地の問題を抱えたとしても相続する財産がプラスになるのであれば相続した方が良いですし、万が一マイナスになるのであれば全体の相続を諦めることが大切です。どちらにしても自分だけでは考えず、それぞれに特化した法律の専門家や底地専門買取業者などに相談して決断することが重要です。まして問題が解決できないからといって放置してしまうと、さらに問題が複雑化してしまうということをきもにめいじて底地を早期に売却することを目指してみてはいかがでしょうか。