底地の抵当権が実行された場合、借地人の権利はどうなる?借地人はどう対応すべき?

一戸建てでもマンションでも、一般的には住宅の購入時にはほとんどが住宅ローンを借りることになります。そして住宅ローンを借りた金融機関からは、住宅購入資金の提供と引き換えに物件に抵当権が設置されます。それによって万一住宅の購入者が何らかの事情で借りたお金が返せなくなったとき、その物件が差し押さえられて競売にかけられることになるのです。

底地にも実は同じように抵当権がつけられることがあり、それによって本来は強く保護されているはずの借地人が保護を受けられない場合が考えられます。ですから土地を借りる前にはその土地について、徹底的に調べる必要があるのです。

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底地が抵当権が付けられているケースとは

一般的な住宅を購入する場合とは違って、底地を買うときには銀行などから住宅ローンを借りることができないと決められていることをご存知でしょうか。そのため金融機関などが最初から底地に抵当権を付けることは、ローンが借りられないのですから通常は考えにくいのです。これがつまり抵当権のついた底地というものが、あまり多くは存在していないという理由であり第一の結論だといえます。

では底地に抵当権が付けられている場合とは、いったいどのようなものが考えられるのでしょうか。現在底地に抵当権を付ける機関としては、大きく分けるとふたつになります。そのひとつが金融機関であり、もうひとつが国税局です。金融機関が底地に抵当権を付ける場合は、実は上記でも説明したように購入時ではありません。もともと土地活用制限の大きい底地を相続人が相続したとき、売却しても非常に安価な価格であるのとは反して相続税が高額になることがあるのです。

そうなるとその相続税を納税するために金融機関から不動産担保ローンを借りることになり、そこに底地の抵当権が付けられるというわけです。不動産担保ローンは住宅ローンとは全く違う色彩を持つものですが、ローンである限りは金融機関に金銭を借りるのですから抵当権が設置されることは当然でしょう。

底地に抵当権が接地されるふたつめの事柄としては、国への納税を金銭でおこなえない場合が考えられます。そもそも国税局への納税は現金でするものであって物納こそ原則として認められていませんが、相続税があまりにも高額となってしまう相続人の方もいるのも現状です。そこで期限内に一括の支払いが困難な相続人である地主の底地に、国税局が抵当権を設置する場合があるのです。

このように底地に対する抵当権は、ほとんど一般的な事由では無いかもしれませんが実際に存在します。もちろんどちらの場合にも抵当権は抵当権ですからそれぞれのケースによって違いはあるにはありますが、地主が支払い困難に陥れば差し押さえられてからの競売という道筋は同じだといえるでしょう。こうしたように底地に抵当権が付けられるケースはふたつが考えられますが、どちらも相続人が底地を相続した後に起こる納税が発端となって抵当権の設置がなされるのです。これらが一般的な住宅への通常起こりうる抵当権とは意味合いが多少違って、抵当権が付けられている底地があまり多くないという事情の説明となります。

借地権が消滅するケースとは

さて底地に設定された土地を借りる権利は一般的には借地人に対する大きな強い保護のために守られる場合が多いのですが、借地権が消滅するケースもまったく無いわけではありません。消滅するケースとしては底地に付けられた抵当権を行使されたときと考えられますが、実はケースバイケースでそれが消滅しない場合の要件もいくつかあります。

まず底地に付けられた抵当権が借地権よりもその効力を大きく発揮するのは、借りた土地よりも先に抵当権が付けられていた場合です。つまり借地権と抵当権とどちらが先に登記されているかによって、底地の貸借が消滅するかしないかの分岐点となっているといっても過言ではありません。

万一借地権の設定が抵当権よりも先に登記されていたのであれば、借地人の権利を侵害することは難しくそのまま借地が成立し続けます。一方でもしも抵当権が借地権より先に登記されていたようなときには、借地人はその借地権の消滅により立ち退かなければならなくなると決められているのです。

だからこそ借地人は自分が借りようとしている底地を借りる前に抵当に入っていないか、しっかりと登記簿などを調査して借地人とならなければ痛い目をみることにもなります。なぜならば抵当権がついた底地を借りて家を建てた場合、借地人は抵当権が行使された時点で底地に建てた住宅などを取り壊して更地にして返すことが必要になるからです。

また抵当権がついている底地であっても、その後に借地権を得た借地人が抵当権者のすべてに同意をもらって登記したのであれば抵当権の行使による借地権の消滅もないものと決められています。すなわち同意の登記があることで、借地人の借地権が守られて底地に建てた住宅などを取り壊して返すという必要もなくなるのです。これは同意の登記と呼ばれるものですが、借地権が消滅するケースではないとはいっても一般の借地権者がこの方法をとるのは難しいと考えられます。

そこでこうした同意の登記をおこなう必要が生じたようなときには、法律の専門家である弁護士や底地などの借地権に精通している不動産業者に相談するほうが良いでしょう。それによって万一抵当権の付いた底地に後から借地権を設定してしまった場合でも、住居の取り壊しや更地にすることから守られることも可能になります。ですから借地権が消滅するケースであったときには、一刻もはやく専門家の手を借りながら手続きを進めることが重要となります。

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