不動産売買を仲介している業者では、ここ数年で買取保証を提供しているケースが増えています。保有している不動産を売却したいと考えても、築年数や立地条件、価格設定、時期などからなかなか買い手が付かないケースも少なくありません。特に困ってしまうのが新生活を始める前に売却したいなど、期限が定められているケースです。
そんな時でも買取保証があれば、どんな条件の物件でも確実に買取してもらうことが可能です。それを実現しているのはどのような仕組みなのかを探るのと同時に、利用した際のメリットやデメリットについて考えるのをはじめ、実際に利用する際の流れや注意点についても詳しく解説していきます。
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ここ数年で導入するケースが増えている買取保証とは、不動産業者との手続きを開始してから概ね3ヶ月程度の定められた期間を経過しても買い手がつかなかった場合に、あらかじめ設定しておいた金額で不動産業者が買い取ってくれるというシステムです。不動産業者に売却を依頼しても必ず売却できるとは限らないだけではなく、買い手が見つかるまでには多くの時間を要する場合もあります。
新居に引っ越しが決まっていてそれまでに売却をしたいなど、期限がある場合に利用すると便利です。即時買取との違いは、期限が定められているか否かです。即時買取りでは買い手を探す活動はせず、即時不動産業者が買取をしてくれるので、保有している不動産を急いで現金化したい時には便利ですが、大半のケースでは市場価格よりも低くなってしまうのがほとんどです。その一方で買取保証の場合は3ヶ月程度の期間が定められており、その間に買い手を探したり、早期に買い手がついたとしてもまずは保留をして、さらに高額で買取をしてくれる買い手が現れるまで待つことも可能です。
もしも買い手が複数現れることがあった場合には、必ずその物件を手に入れたいと考えていればそれを確実にするためにより高い買取価格を提示してくるケースもあり、ここで双方の買い手の競りが始まれば市場価格よりも高値になることがあります。この結果、仮に買い手が購入を諦めたとしても、そこまで競りが行われるほど魅力的な物件であることが分かれば、3ヶ月の期間を経過した後に買取保証により不動産業者に買取をしてもらう際にも、市場価格よりも高値になることがあります。従って、即金が必要になるなど特に急ぐことが無ければ、買取保証を提供している不動産業者に売却を依頼する方が圧倒的にお得になります。
買取保証のメリットは何と言っても概ね3ヶ月程度の期間が定められていることで、その後のスケジュールが立てやすいところです。早期に納得できる金額を提示してくれる買い手が見つかればベストですが、仮に見つけることができなくても期間を経過すれば不動産業者が確実に買い取ってくれます。
個人への売却の場合はローンになるケースも少なくありませんが、豊富な運転資金を持っている不動産業者なら即金で指定口座に振り込んでもらうことも可能です。それらの売却益を利用して新居の購入や修繕の費用に充当したい場合など、あらかじめ一定の目途が立つのもライフプランの構築には大きな強みとなります。また、不動産業者を通じて見つけた売り手に売却する際には仲介手数料が発生しますが、買取保証の場合は相手が不動産業者になるために仲介手数料は発生せず、契約不適合責任も免除になるので、トータルコストを削減しながらリスクも低減できます。
一方、デメリットとなり得るのが全く買い手が付かず不動産業者が買取したケースで、市場価格よりも低価格になってしまうことが大半です。もしも自身で買い手を探すことができるなら、それよりも高額になる可能性があり、金額と確実性のどちらにするのか迷うところです。また、買取保証は不動産業者と専任媒介または専属専任媒介で仲介契約を締結して売却を依頼することで、はじめて行うことができます。そのため、途中で他の不動産業者に変更したり、やっぱり自分で買い手を探すなどすることはできません。おおよそ3ヶ月の定められた期間を経過して仲介契約が解除された時点で、自動的に不動産業者に買取がされてしまうため後から変更することができず、当初想定していたよりも安値になってしまう可能性があります。
不動産を売却する際にはじっくりと時間をかけられるとは限らず、早期に現金化しなければならないケースがあります。例えば転勤や結婚などのライフイベントがあり、新居を用意するなど資金が必要になる場合です。新規に住宅ローンを組む場合には既に保有している住宅のローンを完済しなければ申し込むことはできません。一方、新居を購入するにも支払いに期限が設けられており、すぐに一定の現金が必要になる場合もあります。
そんな時に買取保証を利用して既に保有している物件を売却すれば、期限までに一定の現金を手にすることが可能です。買取保証では仲介契約が解除されると即座に不動産業者が買取りをして指定口座に現金を振り込んでくれるので、他の支払いの期限が定められている時には便利です。また、売却する物件が本当に売れるのか不安な場合でも、買取保証は有効です。
築年数が長く経年劣化や老朽化が激しく果たして買い手が付くのか分からない場合でも、最後は不動産業者が必ず買取をしてくれます。通常の仲介で売却をする場合にはいつになったら買い手がつくのか分からず不安になってしまうだけではなく、長期にわたって売れなかった場合には買い手が値下げ交渉をして価格が下落してしまうこともありますが、買取保証なら契約した段階で不動産業者による最低買取額が分かり、3ヶ月程度と期間が定められていることから、その頃には売れるという目途が立つのも安心です。買取保証には利用条件があり、その中には不動産業者にとって顧客からの需要があり売れる物件であることがあげられます。従って買取保証の契約を結べたということは、不動産のプロの目から見てかなりの確率で売れる可能性があることを示しています。
不動産業者によって若干システムは異なりますが、まずは申し込みを行うと物件の査定が実施され、買取保証の利用対象となり得るのかを判定します。築年数や立地条件などから買い手が付くのか、仮にすぐに買い手が付かなくても将来的なリセールバリューがあるのかなどを考慮し、利用の可否が決定されます。
その他、各不動産業者が定めている独自の審査が実際され、対象とすることが決定されると買い手が付かなかった場合の最低買取額が提示され、これに納得できれば本申し込みを行い、納得できなければキャンセルしたり、十分買い手がつき高額での売却が期待できるなら通常の仲介手続きに切り替えても構いません。専属媒介、または専属専任媒介の仲介契約を締結すると最低買取額や買取を必ず保証する旨、定められた期間までの日付などが記載された保証書が発行され、不動産業者の担当者が買い手を見つけるべく営業活動を開始します。
最後に定められた期間内に買い手を見つけることができれば売買契約の手続きを行い、見つからなければ買取保証の適用となり不動産業者との売買契約の手続きが行われるという流れです。買取保証を利用する際の注意点は、昨今になって増えてきているサービスであることから、不動産業者によってシステムに若干の違いがあるところです。煩雑な手続きも多くの面で自ら行わなければならないケースや、担当のスタッフがアドバイスしてくれたり代行もらえるケースもあります。査定額や手数料にも違いがあり、不動産業者によって最終的な買取額に大きな差が出ることもポイントです。
また、それぞれの不動産業者には得意分野があり、戸建て住宅に強い業者もあれば、マンションやアパートが得意な業者もあります。サポート体制も重要で、専任のコンシェルジュが担当し、疑問や質問があればいつでも丁寧に答えてもらえるなら安心です。専任媒介や専属専任媒介で仲介契約を行った際には売り手に対して建築宅建取引業法で定められている報告義務があり、定期的に進捗状況を知らせなければなりません。不動産業者の中には積極的に買い手を探してくれるケースや、あまり買い手を探さずに期限を経過して最低買取価格で購入することを狙っているケースもあります。そんな中でも法を順守して定期的な報告を行うのはもちろんのこと、これまで市場価格よりも高額で売却したという実績を豊富に持っている不動産業者なら、安心して買い手探しを任せることができます。
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