認知症の親が持っている持ち家の売却や処分手続きの流れをやさしく解説

高齢化社会となった現在では、約4000万人もの方々が65歳以上の後期高齢者となりました。健康を維持している方も多いのですが、長寿となった場合で患いやすい疾病が認知症です。2021年現在で全国で約2000万人が認知症となっていることが、厚生労働省の発表で明らかになりました。

ご自身の両親がこの疾患になった際は、遺産相続で問題が発生する場合があります。親名義の自宅の取扱いから処分の仕方など、あまり世間では知られていない手続きが多くあるため、早い段階から勉強をしておき、しっかりと対応をしていきたいものです。

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親が認知症。不動産売却はどうすればいい?

今現在、両親が認知症になっているという方は大勢いらっしゃることでしょう。自身で自宅で介護をする場合と、専門施設に預けて徹底したケアを受けさせているという2パターンがあります。まず、住まいとなる場所の売却方法から、簡単に解説をしていきます。今現在、現役世代で将来の設計図を描かれている方も、学ぶ価値のあるものです。

成年後見制度というものをご存じでしょうか。これは日本で1980年に制定をされたもので、成年後見になった方にすべての権利を行使する資格が移るものです。以前は未成年者に対して実施をされ、遺産の管理などを親族または、指名を受けた方が担当をしないといけません。

現在では認知機能が低下をした方も対象となり、おもにお子さんが成年後見者となります。家庭裁判所で審査を実施してから指名を受けるのですが、親名義の不動産を自由に扱えるようになるのがポイントです。例えば家が古くなって手放したいと思われる場合、以前だとお子さんにその選択権はありませんでした。老人ホームに入居をすると、長い期間空き家にもなります。そのケースでも手放すのが望ましいといえるでしょう。

成年後見制度は一種の高齢化社会を円滑に進めるための秘策にもなっています。空き家問題が現在では深刻な社会問題となりましたが、それを打開するための政策でもあります。不動産売却は現在では年々増加をしており、都心部などでは老朽化した戸建てなどの件数がどんどん減少をしているほどです。

まず多くの方が理解をしないといけない点は、認知症を患ったとしても安心して遺産管理はなされるという点になります。もしお子さんや兄弟がいない方であれば、役所に在籍をするソーシャルワーカーに成年後見を任せることも可能です。大切なのは、健全なうちに対応してほしい事柄を書面に残すことです。住まいをどういう形で手放すのか、または活用をする方法を細かく記載するようにすれば、実行をされます。

成年後見制度で不動産売却までの流れ

ここからは実際に、成年後見制度を利用した不動産売却の流れを見ていくことにします。2020年度は全国で約4万件の施行を実施しており、そのうちの約3万件が物件の売買が成立をしました。まず、成年後見になるには、必ず家庭裁判所に申し立てをしなくてはいけません。所定書類の記述と提出、さらには裁判官との面談もあるので、はじめて経験される方は緊張をなさるものです。そこで頼れるのが弁護士であり、各地にある法律事務所を訪ねてみることをおすすめしましょう。

書面の記入などもなされるので、非常に確かな申請が可能です。その後、1か月程度で審査結果がわかり、正式に成年後見制度を利用することができます。不動産を売却する場合は登記簿のほか、戸籍謄本と委任状も用意をしなくてはいけません。委任状とは認知症を患っている親に代わって、住居・土地を売却する旨を記しているものです。こちらは家庭裁判所で代筆をされるので、それを持参するわけです。あとは実際に住んでいる方と不動産会社の担当者が面談をおこない、確認をなされます。売却に関してはどこの会社を活用しても構いません。

通常は一社のみで決めてしまう方が多いですが、最低でも4社程度から見積もり査定を依頼した方が賢明です。不動産の価値は毎年大きく変動をするため、一定の決まった価格で手放せません。あとは提示をされた金額に納得をすれは契約成立です。会社側に直接買い取りを依頼する場合、相場よりもはるかに安い金額となります。

もし時間に余裕があるのであれば、先に仲介の身を依頼して、買い手があらわれるのを待つのも得策です。購入者があらわれたら相場よりも高く売却をすることもできます。仲介のみであれば手数料を支払うだけでよく、かなりプラスになって現金を受け取ることも可能です。

なお、住居が築40年以上の古家の場合は、先に解体をしてから土地のみを売る方が高値になることもあります。土地活用は現在では非常に人気があり、新しく住まいを建設したい方が見つかりやすいです。解体のみであれば、成年後見制度の利用と任命は不要です。ご自身で選択をおこない、手放しやすいスタイルを見つけるようにしましょう。2010年以降は制度のなかでもかなり規約が緩くなってきました。以前は不可能であった第三者の関与も承認をされており、手際よく実施ができます。新しい制度ですが、活用をする価値は十分にあるので実施をしましょう。

まとめ

認知症になった際は、認知能力が著しく低下をします。不動産という資産の管理をする能力も欠如をしてしまい、自身の住まいであっても自由に管理と売却をすることもできません。必ず親族を頼って管理の代行を依頼しましょう。日本では成年後見制度があり、法律によってしっかりと守られた活用が可能です。

一般的にはお子さんや兄弟が成年後見に指名をされるので、不動産管理を任せることができます。老人ホームなどに入居をする場合、まとまった資金が必要です。そのコストを捻出する場合、今現在住んでいる家・土地を不動産会社に売却をするのが賢明な方法になります。売却は家の持ち主である本人しか本来はできませんが、後見人ならその限りではありません。

自身の身分証と戸籍謄本、そして裁判所からの委任状を持っていれば、自由に手放すための契約を取り交わせるわけです。必ず家庭裁判所で審査を受けてからの委任となるため、弁護士に依頼をして対応をしてもらうことも必要になります。今後は高齢化社会の現象が顕著となるため、多くの方は後見人になることでしょう。委任を受けた際は、しっかりとその業務を全うして親や祖父母の支援をしていくことが大切となるわけです。

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