相続した土地をすぐに現金化したい！相続トラブルを避けて兄弟で仲良く分ける方法

土地は分割するのが難しいため、相続したものを兄妹で平等に分割するのは難しいですよね。兄弟が多いほど、分割するのが大変なうえにもめる可能性も高くなります。そのため、トラブルなく仲良く分ける方法を探している方もいるでしょう。

平等に分けるには現金化するのが一番ですが、相続した土地を現金化する方法もわかりませんよね。また、相続した土地をすぐに現金化する方法などあるのでしょうか。 ここでは、相続した土地を現金化する方法や、トラブルを避けて分配する方法についてご紹介します。遺産の分配で悩んでいる方は参考にしてください。

相続した土地を分ける方法とメリット・デメリット

相続した土地を分ける方法は、現物分割・代償分割・換価分割・共有分割の4つの方法があります。 まず、現物分割とは土地を相続人の人数で分割する方法で、分割方法としては最もオーソドックスです。手続きが簡単で、不動産の評価などをする必要がないのがメリットです。

ただし、相続した土地が狭い場合は分割すると接道義務を満たさなくなったり、自治体が定める最低敷地面積を満たさなくなったりします。土地自体の価値が下がってしまうこともあるでしょう。そのため、広大な土地を相続したのでない限り現実的な方法ではありません。 代償分割は相続人のうちの一人が土地を相続し、他の相続人に分割相続分のお金を払うという方法です。農業や事業などの家業に活用していた土地や親と同居していた長男が実家の土地・建物であった場合は、小規模宅地等の特例が適用され節税効果が高いというメリットがあります。

また、スムーズかつ公平に遺産を分配できるのも利点です。しかし、まとまった金額がないと相続人に賠償金の支払いができないため、資金力のある相続人がいないと適用できない方法です。代償金の算出方法で揉める可能性もあるほか、場合によっては相続税が高くなることもあります。

換価分割は、土地を売却して現金化した後に分配するという方法になります。現金を分割するため公平に分けられるうえ、相続税の資金も用意できるというメリットがありますが、土地を現金化するのに時間がかかるというデメリットがあります。また、土地を売るには仲介料を支払わねばならないほか、売却益に所得税などもかかり受け取る金額が目減りするのもデメリットです。また、換価分割を行うには、相続人全ての同意が必要になります。

共有分割は、土地を相続人全員で共有するという方法です。それぞれの相続人の相続割合に従い公平に分割できるため、トラブルに発展しにくいのが利点です。相続財産を分割すると相続税も安くなるため、節税対策としてもメリットがあります。しかし、相続人が亡くなると相続する人が増えるため、共有の権利が複雑化するデメリットがあります。将来的に誰かが土地を売りたくなった場合など、トラブルになる可能性もあるでしょう。この方法も、相続人全員の同意がなければ行うことはできません。 相続した土地や相続人の数、続柄などによって相続税なども変わってきます。これら4つの方法から、納得できる方法を選び平等に分割しましょう。

土地の相続でトラブルを避けるポイントは

土地の相続でトラブルを避けるには、相続人みんなで遺産分割協議をすることが大切です。相続人全員が4つの分割方法のメリット・デメリットを理解し、建設的に話し合う必要があります。適切な方法は相続する土地の価値や相続人の人数、相続人の資金力などによっても違ってきます。しかし、最も現実的で平等に分けられる方法は、換価分割になります。 ただし、換価分割をするにおいても、どうやって売却するかをしっかり話しあわねばなりません。

相続人の中から代表者を一人決めて売却する場合は、代表者一人が登記登録を行い、全員を売却人とする場合は、媒介契約や売買契約時には全員の署名捺印が必要です。 また、どの分割方法にするかは土地の価値を知ってから決めたいという人もいるため、まずは土地の評価額を出すのが先決になります。不動産会社に依頼すると、査定金額を出してくれるでしょう。 換価分割以外の方法でも、トラブルを避けるために注意すべきポイントがあります。

農村地などでは昔ながらの長男優遇制度を重視している地域もあり、長男が他の相続人よりも多く相続する権利を主張することがあります。現代においては、長男や次男などに関わらず平等に分配する法律になっているため、理解してもらう必要があるでしょう。それでも理解してもらえない場合は、遺産分割調停を申し立てなければなりません。 代償分割を選択した場合においては、土地を相続した相続人が代償金を払えないトラブルが起こりがちです。

一括で支払えない場合は、分割払いを視野に入れるほか、代償金を引き下げることで解決することができます。それでも代償金が支払えないとなると、別の分割方法に変えるのが賢明でしょう。 そして、土地の相続で将来的なトラブルを回避するには、共有分割は避けるのが無難です。相続人が増え、100人以上で共有しているケースもあり、メガ共有と呼ばれ社会問題になっています。そのため、共有分割は最後の選択肢にするのが賢明です。

相続税は、被相続人の死亡を知った翌日から10ヶ月以内に収めなければなりません。滞納してしまったら、延滞税もかかってしまいます。そのため、相続人がスムーズに遺産を相続し、相続税を支払える資金を準備する必要があります。ダラダラと話し合いが長引き分割方法が決まらないと、余分なお金を支払うことになってしまいます。できるだけ早く分割方法を決め、余裕をもって相続税を払えるようにしましょう。