借地権の建て替えは地主との交渉が必要?建て替えの際の承諾料の相場についても解説します

借地権の建て替えを考えると気になるのはやはり、地主との交渉が必要になるのかどうかです。 また建て替えの際に承諾を得る場合、その承諾料の相場についても知りたいものです。 建て替えにおける地主との交渉や承諾の有無、発生する承諾料の相場や不要となるケース、知っておきたいトラブルや解決方法が分かると疑問が解消します。

具体的な建て替えの計画を立てたり、万が一トラブルになっても自信を持って解決できるようになるので、知識はとても大事です。 大切なのは疑問を疑問のままにしておかないこと、それと納得して理解を深めていくことです。

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借地権上の建物の建て替えを行うには

借地権上の建物は、地主の承諾を得ないことには建て替えできないのが原則です。 これは建て替えに限りませんが、借地権に関することは貸主と借主の間で解決する必要があります。 基本的には話し合いによって解決しますが、権利関係は時に複雑な状況を生むので、トラブルに発展することも珍しくないです。

一般借地権は残存期間が50年以上ですが、住宅の建て替えは木造だと20年から30年に一度なので、借地に木造住宅が建つ地主さんは少なくとも一度は建て替えを経験する計算です。 借地権上の建物の建て替えの承諾は、借主が貸主の地主に承諾を求めてOKとなれば成立します。 貸主に承諾を求めると、地主のもとに通知が届きますが、2ヶ月以内に異議申し立てがないとその時点で承諾となります。 理由は借地借家法の第七条で、異議申し立てがない場合に承諾したとみなされるとあるからです。 建て替えをすると借地権は20年の延長となりますが、延長の開始日にあたるのは承諾が行われた日か、築造が行われた日の早い方です。 借地契約を更新して建て替え工事となる場合も、地主から許可を得ることがになります。

借地権は存続期間という契約期間があるので、契約を更新すれば期間は延長されますが、土地の利用に関する権利と建て替えの問題は別です。 権利を持っているから土地を自由に使っても良いと考えるのは間違いなので、正しい認識でトラブルを招かないようにしたいものです。 借地権上の建て替えで地主に承諾料を支払う必要があるか、その疑問に対する答えはイエスでもありノーでもあります。 支払うかどうかは契約書の内容に基づいて決まるので、その記載がなければ支払いは不要です。 法的にも決まりはありませんから、これも貸主と借主が話し合って解決する問題でしょう。

契約の際に土地賃貸借契約書に承諾料の記載があれば、その通りの金額を支払うことになります。 借地権上の建物の建て替えの承諾料は、更地価格の3~5%が一般的な相場とされています。 時価によって変動しますが、価格の基準があるので、更地価格を基準に算出すればお互いが納得できる金額が分かるでしょう。

仮にもし更地価格が5,000万円だとしたら、150万円から250万円が相場となります。 いわゆる非堅固から堅固な建物に新築を行うケースだと、承諾料の上乗せが発生する可能性があります。 非堅固建物に該当するのは木造だったり軽量鉄骨造で、堅固建物は鉄筋コンクリートに重量鉄骨造などを指します。 こういった条件を変更する承諾料の相場は、更地価格に対して10%、つまり通常の承諾料の2倍から3倍が目安です。 5,000万円の更地価格の土地であれば最低で150万円ですが、建物の種類を変更する際には、500万円は覚悟する必要があることが分かります。

条件変更は非堅固と堅固だけでなく、住宅から業務用途だったり、賃貸物件などに建て替える場合にも同様にそうみなされるので注意です。 このように、借地権上の建物の建て替えについてまとめると、原則として承諾は必要で、承諾料が発生するかどうかは契約書の内容次第と結論づけられます。 相場は更地価格の4%前後ですが、建物の条件変更を伴う場合は10%程度の数字が適用されます。 実際にいくらで建て替えを認めるかどうかについては、契約者同士がお互いに希望を伝えたり、話し合いの上で解決することが必要です。 金額に折り合いがつかないと、建て替えが決まらなかったり工事が始められませんが、目安となる相場を参考に交渉すれば、トラブルに発展する恐れはまずないでしょう。 そもそも契約書に建て替えに要する承諾料の記載がないなら、支払いそのものが必要なくなります。

建て替え承諾料がいらないケースも

建て替え承諾料は、契約書に記載があると必ず支払わなければいけないイメージがあります。 契約書の内容を最初に確認することは大事ですし、確かに記載があれば支払わなければいけないことが多いです。 土地賃貸借契約書に増改築禁止特約の記載がない場合は、地主に承諾を得ることすら不要なケースも存在します。 借地権を更新する前ということが前提ですが、建物の増築や建て替えの取り決めを行う増改築禁止特約がなければ、承諾も費用も不要となるわけです。 契約書を確認する前に地主に問い合わせると笑われてしまいかねませんから、最初に土地賃貸借契約書を確認してから承諾が必要か、お金が掛かるか判断することが重要です。

とはいえ、地主に何も言わずに黙って建て替えを進めてしまうと、後々なぜ連絡の1本も寄越さなかったのかと言われる可能性があるので、連絡くらいはしておくのが無難です。 建て替えをしたいのに地主が応じてくれない時は、裁判所に申し立てる方法があります。 借地借家法の第十八条には更新後の物件に裁判所を許可する制度の記載があり、借主の申し立てに裁判所が許可をすれば、地主に代わって承諾を得たことになります。 ただし、地主抜きに建て替えの可否を判断したり許可することになるので、当然ながら裁判所は慎重に判断します。

申し立てが通るかどうかはケースバイケースですし、建て替えが認められるのは老朽化による倒壊の恐れなど、やむを得ずそうせざるを得ない場合に限られます。 裁判所が許可を与える時は、例え契約書に記載がなくても、利益の公平性を目的に地主の借主に対して承諾料の支払いを命じることがあるので留意すべきです。 地主が承諾料をいらないと言った場合も、建て替えの際に支払わずに済みます。

承諾料は金額を含めて法的なルールがなく、3~5%という相場も慣例でこの範囲に収まっているだけです。 承諾料の支払いに絶対という決まりはありませんから、地主の判断次第で借主の支払いが0になることもあるわけです。 現実的には契約書に承諾料だったり、条件変更承諾料の特約の記載があるので、地主が不要と言わなければ支払うことになるでしょう。 契約書に記載がなくて地主がいらないとも何も言わない場合は、法的には支払いが不要でも勝手に判断して支払いを拒むのはやめた方が良いです。 地主が支払って欲しいと言ったら、トラブルが発生したり関係の悪化を考慮して、素直に支払うのが得策です。 最悪は建て替えの承諾拒否という結果になり得るので、承諾料で揉めるのは避けたいところです。

借地権は難しい!専門業者に買取り依頼がおすすめ

地主の承諾を得れば建物の建て替えはできますが、法改正で建物が合法ではなくなった場合など、承諾があっても建て替えできないケースもあります。 他にも、接道義務を満たしていないケースも同様に、建物の建て替えが不可能になってしまいます。 借地権というのは本当に難しいもので、専門的知識なしに交渉に臨むと揉める展開に発展したり、交渉そのものが上手くいかないこともあります。 権利関係と法律の複雑さがこのように、借地権の扱いを難しくしています。

地主が承諾してくれない、法律の制限で建て替えができないという場合は、思い切って借地権を売却するのも手です。 借地権は他人に売却して譲ることが可能で、例えば第三者に中古物件の形で建物を売ったり、買取ってもらう方法があります。 地主の承諾を得なければいけない点は共通ですが、承諾料を負担に感じたり建て替えたくてもできないなら、買取りという選択肢は現実的なものとなります。 交渉が難航していてトラブルに発展しているなら、法律に関する専門知識にも期待できる、借地権に詳しい専門業者に相談をおすすめします。

借地権つきの土地を中心に扱っている業者であれば、買取ってもらえるかどうかも含めて相談しやすく頼りになるでしょう。 最初は承諾を得て建て替える方向で検討するべきかもしれませんが、希望通りの結果にならないのなら、方針を変えて買取りを検討したり、専門業者に査定や買取りを依頼するのが賢明です。

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