持ち家が葬儀場に近いけど、売れる?売却査定に与える影響や売る方法を解説

持ち家を売却する際、近隣の環境が査定額に影響することがあります。持ち家そのものには問題が無くても、環境が原因で売却時の価値が下がってしまうケースは珍しくありません。嫌悪施設は不動産の価値を下げる原因のひとつであり、自分ではどうにもできない問題でもあります。

近くに葬儀場があるため持ち家の価値が下がってしまうのは理不尽に思えますが、嫌悪施設は見る人の感情で決まることが多いので避けられないトラブルなのも事実です。 しかし、不動産業者と話し合うなど相応の工夫で価値の下落をある程度は予防できると言えるでしょう。ここでは葬儀場が嫌悪施設として扱われる理由や不動産物件にもたらす影響、近くに葬儀場がある家を高く売るための工夫についてお伝えします。

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葬儀場に近い家は「嫌悪視線」になる

不動産業界の専門用語に嫌悪施設があります。嫌悪施設とは名前の通り、嫌悪感をもたらす施設ですが、その基準は人によって異なるので絶対的なものではありません。一般的なイメージとしての嫌悪施設は騒音や悪臭の発生源になる工場やごみ処分場、地域の品位を下げると見なされる風俗店やパチンコ店などがあります。

また、ごみ屋敷や廃屋も多くの人に嫌悪感を与えるとの理由から嫌悪施設として扱われるケースも少なくありません。 公共性の高い施設も用途によっては嫌悪施設と見なされることがありますが、葬儀場は典型的な例と言えるでしょう。故人の死を悼み、最後の別れを行うための施設である葬儀場は誰しもがお世話になる施設と言えますが、一方で人の死に関与することから縁起が悪いイメージが付いているのも事実です。死そのものにネガティブなイメージがあるため、死に関与する葬儀場も同様に不吉な場所として扱われてしまいます。

結果、不快感をもたらす嫌悪施設に該当すると言えるでしょう。 葬儀場の近くにある家は嫌悪視線と呼ばれますが、これは視界に葬儀場が入ることが理由です。対象の家を見るとその視界に葬儀場も入ってしまうのが嫌悪視線になる条件であり、実際の距離は問われないのが普通です。一方で何メートルまでが範囲内と明確な基準が設けられているわけではなく、大抵は徒歩で行ける範囲の近距離が該当します。そのことから、実際には嫌悪視線に該当する物件はさほど多くないと言えるでしょう。

葬儀場に近い家は安い相場になる場合も

葬儀場に近い立地にある家は一般的な相場よりも数割ほど価値が下がってしまうことがあります。すべての該当物件が価値の下落に見舞われるわけではありませんが、葬儀場から人の死をイメージし、そのことに嫌悪感を抱く人は少なくありません。葬儀場に人が出入りする様が見えるほどの近い立地にある家は特に嫌悪感を抱かれやすく、築年数や間取りなどの点が魅力的でも買い手がつかない可能性があります。

嫌悪施設は大別すると騒音や悪臭などの実害をもたらすものと、実害は無いものの嫌悪感が非常に強い心理的瑕疵と呼ばれるものがあります。葬儀場は心理的瑕疵を持つ嫌悪施設なので、健康被害などのトラブルは起きません。しかし、心理的な不快感は個人の感情や考え方に左右されるものであり、理屈で解決するのは困難なのも事実です。

不快な感じがする物件は実際の価値よりも安く見積もられる傾向にあります。葬儀場が近い環境に不快感を抱く人にとっては、その家の価値は低くて当たり前と言えるでしょう。売る側にとっては実害をもたらさない、単なる不快感で金額が下がることに理不尽な気持ちを抱くかもしれませんが、買う側が抱く不快感の本質を正しく理解する必要があります。

葬儀場に近い家はどのような方法で売るべき?

葬儀場に近い家は平均的な相場よりも安く買い叩かれる傾向にありますが、家としての価値は決して劣っているわけではありません。葬儀場の存在に不快感を抱く人にとっては安くて当たり前と感じる物件でも、葬儀場を何とも思わない人にとっては近くにあるだけで価値が下がるのは不思議であると感じるのも事実です。葬儀場の近くにある家を高く売るなら、嫌悪施設の存在を気にしない人に買ってもらうのが最善の方法と言えるでしょう。

そのような人は近隣の環境ではなく、家の価値に見合った金額で取り引きを行ってくれます。一方で葬儀場をまったく気にしない人を見つけるのは決して容易ではなく、当初は気にしないと言っても後になってから不快感を抱くようになったと心変わりをする可能性も否定できません。 予め平均的な相場よりも割安な金額で売りに出すのも売買契約を早期に結ぶコツです。徐々に金額を下げるよりも、最初からある程度割安な金額にすることで多くの人に注目され、買い手が見つかりやすくなります。注意点として、不動産物件は一度下げた売値を再び上げることは基本的に不可能です。金額の改定そのものは自由ですが、不動産物件は元の金額が大きいため、安易に上げ下げを繰り返すと不信感を抱かれるおそれがあります。

優良物件でも避けられる可能性があるので、金額設定は慎重に決めることを忘れてはいけません。 近隣に嫌悪施設がある家を嫌がる人は決して珍しくないことから、家を解体して土地物件に変えてから売るのも一つの方法と言えるでしょう。更地にすることで用途が広がり、多くの人に注目されるメリットがあります。反面、更地にして土地物件扱いにしても必ず売れるとは限りません。また、家を解体する手間や費用も考慮しないと却って損をする結果になってしまいます。

金額を下げても買い手が見つからない、家を解体する費用が無いなどの理由でいつまでも持ち家が売れない場合、訳あり物件を専門に扱う業者を頼る方法があります。孤独死や火災など、何らかのトラブルに見舞われた物件を専門に扱う業者なら嫌悪施設の近くにある物件でも買い取ってくれる可能性は高いと言えるでしょう。しかし、訳あり物件は一般的な物件よりも価値が下がることを理由に、安い金額で買い叩かれる可能性は否定できません。一方で他の業者が見向きもしない物件でも訳あり業者なら買い取ってくれることもあるので、ある程度の買い叩きは仕方がないと妥協する姿勢が必要になります。

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